超高層建築の始まり

超高層ビルの時代
~どこまで伸びるか~

 鉄骨、鉄筋コンクリ一卜、鉄骨全失筋コンクリー卜といった技術が一般に普及すると、より背の高い建物の建設が可能になった。

 しかし、1923年(大正12年)に起こった関東大震災によって、高い建物の建設に「待った」がかかった。死者・行方不明者10万4000人、被害を受けた世帯69万戸というこの大惨事のあと、大地震に耐えられる建物として、高さが100尺(31m)に制限された。31mというと13階建てくらいしか建設できない。
そのため、各階の高さを低くして延べ床面積を大きくする粗末なビルが目立つようになった。
その後、耐震技術の研究が進み、1963年に31mの高さの制限が撤廃され、その代わり敷地の面積に対する建物の延べ床面積の割合である容積率が規制されることになった。

 1968年に完成した霞が関ビルは、地下3階、地上36階、高さ113mの、かつての高さ制限を大きく上回る超高層ビルとして有名になった。

 現在は背の高いビルが次々と建っているが、いま日本で一番高いビルは、1993年に完成した横浜のランドマークタワーの70階建ての296mである。このくらいの高さになると、耐震だけでなく、強風に耐える耐風設計がとても重要になってくる。

 ちなみに、世界でもっとも背の高い建物はどれだろうか。マレーシアのクアラルンプールにあるぺ卜ロナスタワーだ。高さはなんと452m。日本一のランドマークタワーは世界では26位になる。

これからは、500m、1000mといった超々高層ビルの建設が検討されている。はたしてこんな夢のような建物は可能なのだろうか。