建築工事に関わる人々

工事現場で働く人たち
~いくつもの専門工事~

 意匠屋、構造屋、設備屋という分類は、設計の上だけでなく、施工段階に入っても生きているが、この段階に入ると専門性が要求されるので、さらに細分化される。

 建築業法では、専門工事が28種類に分類されている。

 まず土木工事、建築工事があって、その中に、配管工事、とび・土木・コンクリー卜工事、屋根工事、電気工事、鉄筋工事、ガラス工事、防水工事、機械器具設置工事、建具工事、消防施設工事などがある。

 かつて、それぞれの工事は、専門の業者が行なっていた。施主や設計事務所から依頼を受けた施工業者が、さらに専門業者に依頼し、工事をしてもらうという形だった。
ところが最近は、建物の工法の変化もあって、1人が何種類もの工事にたずさわる傾向がある。
いずれの場合も、実際に工事を行なうのは施工業者の予請け業者の場合が多い。

大規模な工事では、いくつもの下請け業者が現場に出入りする。そこで、工事全体をまとめ、監督する人が必要になる。

 それが、工事現場所長、あるいは監督と呼ばれる人で、それぞれの専門業者が段取りよく仕事ができるように、また、ほかの業者との連携がうまくとれるように配慮しなくてはならない。

 この役目は、施工業者の社員が務める。それから、施工業者の監理をするため、設計事務所の人間も現場に出入りする。施主の代理人として、工事の品質と進み具合を見に来るわけだ。これで、どのような人たちが建設にかかわっているか、だいたい理解いただけただろうか。