建築の種類

住居以外のいろいろな建築物
~ちょっと街を眺めてみると~

 建築の基礎知識を紹介しておこう。住宅を中心に進めていくが、その他にも建物にはいろいろな種類がある。
通学・通勤中や、街に出かけたときに、何種類もの建築物が目に入るはずだ。それらの建物は、それぞれの特別な使用目的があるので、つくり方も形も違っている。

たとえば、コンサートホールは、いい音を客席に届けることが重要。そのために騒音はあってはならない。
そこで、壁を厚くし、隙聞から騒音が入ってくるのを防ぐため出入口を二重にし、入口の手前に小さな部屋を設け、窓はなるべく設けず、といった工夫が大事になる。
さらに、先に出た音が、後から出てくる音の邪魔をしないように、吸音率の高い壁にするなど、いろいろ工夫している。

 また、ドーム形屋根の野球場、東京ドーム、通称ビッグ工ッグは、日本ではじめてつくられた大規模な室内加圧式の工アドームだ。
天社の膜がうまく支えられているのは、外の気圧より内部の気圧を高くしているから。
建築面積46755m2、地上6階、地下2階、収容人数56000人という大きなドームで、雨、台風、地震などに耐え、温度・湿度を保ち、天井を支えているのは、じつは空気なのだ。

 われわれに身近な病院はどうだろうか。大きな病院では、入院患者、外来患者、救急車で運ばれてくる急患などがいて、それぞれの患者をケアする病院側の職員の仕事も多様だ。
建物もそんなきわめて複雑な病院の機能に対応するものになっている。たとえば、床に段差がなかったり、人や物それぞれ専用の出入口があったりするOどの建築物もそれぞれ独自の設計が必要なのだ。