葬儀と地域の文化

葬祭業者には、こんな種類がある

 専門業者だけでなく、他業種の会社も葬儀を扱う以前は、葬儀を扱うのは葬祭専門業者や互助会、生協、農協などだけでしたが、現在は生花業者や、墓石を扱う石材会社、仏壇の会社、鉄道会社など、さまざまな業種の会社が葬祭業に進出しています。また、葬儀を扱っているNPO法人などの団体もあります。
多くの業者が家族葬や無宗教葬にも対応し、生前予約や生前契約を受け付けているところもあります。

~葬祭専門業者~
 全国展開している大規模な会社から、地元に密着した小さな業者まであります。
地元の葬儀社は、その地域の斎場や火葬場の事情、地域の慣習などにくわしいのが特長です。
一方の大規模な葬儀社は、デパートや駅ピルなどに相談コーナーを設けているところもあり、気軽に相談できます。
全国各地に葬祭事業協同組合があり、その連合会が全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)で、経済産業省の認可を受けています。連合会は、加盟業者のサービス向上の促進などを目的としています。

~互助会~
 冠婚葬祭の儀式を行うのに必要な費用を毎月積み立てて準備するシステムで、葬儀が必要になったときに連絡すれば、祭壇や棺などの準備、葬儀の施行などの互助会のサービスが受けられます。
一種の生前予約で、現在、多くの人が利用しています。
満期にならなくても差額を払い込めば利用できますが、積立金だけですべてをまかなえるわけではありません。
お寺へのお布施などは含まれないことが多いようです。
毎月の掛け金には利息はつかず、途中解約する場合は、原則として解約手数料がかかります。
互助会は経済産業省の認可を受けており、全国に数多くの互助会がありますが、それぞれ独立した企業で、サービス内容は一律ではありません。

~生活共同組合(生協)~
 「葬儀の料金が不明瞭」という組合員の声がもとになり、現在、多くの生協が葬儀サービス事業を行っています。
実際の葬儀は提携している葬祭業者や互助会が行っており、料金や内容はまちまちですが、料金体系が明瞭なのが特長です。
なお、生協で葬儀を行うには、生協の組合員であることが原則です。

~農協・漁協~
 全国各地の農業協同組合(農協・JA)や漁業協同組合(漁協)などでも、組合員の福利厚生のために葬儀を扱っているところがあります。
サービス内容は、葬儀一切を請け負うところもあれば、提携している葬儀社に業務を委託するところ、葬儀社を紹介するところなどがあります。
また、独自のサービスを提供していたり、葬斎場を設けたりしているところもあります。
農協や漁協の組合員だけでなく、組合員以外でもサービスを受けられるところもあります。

~自治体の葬儀サービス~
 自治体のなかには、区民葬や市民葬などの葬儀サービスを低価格で提供しているところがあります。
サービス内容は各自治体によって異なり、登録されている葬祭業者のサービスを受けられるところ、自治体職員が葬儀の手伝いをするところなどさまざまです。

~そのほかの葬儀サービス~
 生花業者や、石材会社、仏壇会社、鉄道会社などには、一般的な葬儀だけでなく、本来の業務を生かした個性的なサービスを行っているところもあります。
たとえば、生花業者は生花祭壇など、花で演出する葬儀を得意としています。